ぬか漬け
こんにちは。デンマークINN深大寺 栄養科の細渕です。
今年の夏は連日35度以上の猛暑日が続きました。皆様は夏バテや熱中症など体調は崩されていなかったでしょうか。
夏バテ予防には、やはり不足しがちなたんぱく質（肉・魚・卵・大豆製品など）・ビタミン・ミネラル（野菜・果物・乳製品・海藻類・塩分）を積極的に取り入れることが大事です。
当施設では水分補給のためのゼリーやジュースをお出ししていますが、それだけではなく、自前のぬか漬けも提供させて頂いております。
夏には一週間に一度、旬な野菜のナス、かぶ、きゅうりを漬けています。
ぬか床は、毎日全体に空気が行き渡るよう下から上にかき混ぜて、捨て野菜（キャベツの外葉や人参・大根のヘタなど）を漬けています。そして、ぬかの表面をペタペタするくらいに手で押し、空気を抜いて発酵をより進めています。
この捨て漬けは、ぬか床をおいしく発酵させるための大事な作業です。翌日にはその捨て漬けしてある野菜を替えています。
そして本漬けにするときは、前日から漬けておき、充分に味を染み込ませています。
ぬか床の状態により、しょっぱかったり酸っぱかったりしてしまうので、ぬかや水、塩、唐辛子、昆布・・・何を足したら程好い状態になるのかを考え、毎日必ず見ています。気温やかき混ぜ具合、発酵具合でぬか床は変わってくるので、だんだんと愛着が湧いてきて、毎日様子を見るのが楽しみになってきています(^^)
また、入居者様がぬか漬けを残さず召し上がっていると聞き、栄養科一同大変嬉しく思っております。
ぬか漬けに興味を持ち始めた私は、栄養面を調べてみました。
現代日本を生きる私たちは、便利な食材が増えて食品添加物、残留農薬に囲まれた生活を送っていると言えます。そして、知らず知らずのうちに腸内環境を乱しているかもしれません。
ぬか漬けには、乳酸菌がたくさん含まれており、胃酸にも耐えて生きたまま腸内に届きます。この生きたままということがとても重要です。整腸作用、免疫強化、貧血・便秘・骨粗しょう症等の予防、美肌効果等の健康効果があります。
また、ぬか床に野菜を漬けると、浸透圧で野菜の水分が抜け、その代わりにぬかに含まれている栄養分が野菜に浸透するようです。これで生の野菜を食べた時よりも、ビタミンが倍増し、疲労回復など様々な効果があります。
私はこの“ぬか床”を大切に育てながら、これからも色々なことを学んでいきたいと思っています。
